一人より一緒に。
変わらない二人の関係
自暴自棄から始まった恋愛!?
中学、高校と同級生だった晴香さんと優介さん。中学時代は接点がなかったふたりですが、学級長をしていた優介さんは、クラスは違っても目立つ存在だったそうです。同じ高校に進学し、距離が縮まったのは高校3年のこと。席が前後になったことをきっかけにふたりで話す機会が増えていきました。「大人しい印象でしたが、めっちゃ喋りやすいし話をニコニコしながら聞いてくれるんです。いい子やなと思って、その時からずっと狙っていました」と優介さん。そのわかりやすい態度に晴香さんもうすうす気づいていたそう。高校の卒業文集では“理想のカップル第1位”に選ばれました。
進学も密かに晴香さんと同じ大学を目指していた優介さんでしたが、ふたりともセンター試験の結果がふるわず、進路変更を余儀なくされることに。このままでは離れ離れになってしまう!と意を決した優介さんは、みぞれまじりの雪が降るなか、高校の自転車置き場で晴香さんに告白。結果は見事OKでした。「大事な時期だったのでもしかすると断っていたかもしれません。でも、私も受験に失敗したこともあって、ちょっと自暴自棄に…って言ったら怒られそうですね(笑)」(晴香さん)
優介さんは東京の大学、晴香さんは名古屋の短大に進学し、夜行バスや青春18切符を使って行き来する日々。遠距離恋愛でお互い心配になることはなかったのでしょうか。「最初の1年目は不安になり束縛したい時期もありました」と優介さん。「私はドライな性格なんです。それをわかって信じてくれていたので、遠くても平気でした」と晴香さんはいいます。
まるで友達のような親子関係
大学卒業後、公務員試験を経て福井県庁に入庁した優介さんは、社会人1年目の時に晴香さんにプロポーズ。「結婚してくれるかな?」「いいともー!」そんなふたりらしいやりとりを経て、2007年に結婚しました。
県庁職員として多忙な優介さん。一方、晴香さんも子育てに追われる日々。ストレスを抱え込んでしまうこともありましたが、お互いを思いやる気持ちで乗り越えてきました。さらに子どもたちが大きくなるなかで大切にしていたのが「一緒に趣味を楽しむこと」。二人の娘たちは思春期真っ只中ですが、優介さん、晴香さんとは親子というよりも仲の良い友達のような関係性を築いています。「夫は仕事柄、SNSで発信することも多いのですが、子どもたちが積極的にチェックしてくれているんです。お父さんのインスタライブにコメントすることも多いんですよ」(晴香さん)。
結婚は苦楽をともに楽しむ
「冒険」
結婚して17年。それぞれの仕事の役割や環境は大きく変わりましたが、ふたりの関係はおどろくほど穏やかです。「結婚ってクエスト(冒険)のよう。一人でできないことができるようになる。悩みも一緒に解決するほうが面白いし、重い荷物だって一人で持つよりみんなで持つ方が楽しい」と優介さん。「だから子離れした後も、私たちは変わらないんじゃないかな」と晴香さんも続けます。おじいちゃん、おばあちゃんになっても仲睦まじく微笑み合う、そんなふたりの姿が今から目に浮かぶようです。