結婚五十五年、
ともに歩んだ半世紀の絆

撮影時: 結婚55年目
斎門重光さんとよし子さん。生まれ育った勝山市で、息子夫婦、孫夫婦、ひ孫たちとともに、四世代が肩を寄せ合い、にぎやかで温かな暮らしを送っています。
ふたりが出会ったのは19歳のとき。高校を卒業したばかりの春でした。きっかけは村祭り。仲間たちと連れ立って遊びに行くうちに、次第に距離が縮まっていきました。最初はただの友達。でも、一緒に過ごす時間が増えるうちに、少しずつ特別な感情が芽生えていきました。
交際を始めて1年が過ぎたころ、重光さんはよし子さんの両親に挨拶へ。けれど、「まだ早すぎる」と言われたそうです。それでも、家に招かれて食事を共にするなど、家族ぐるみの付き合いは続いていました。
当時、重光さんは勝山から福井へ通勤する日々。それでも、「5分でも10分でも、朝に顔を見られればそれでよかった」といいます。ささやかな外食を楽しむ時間も、ふたりにとって大切なひとときでした。「べっぴんさんでしょう?この人を逃したらあかんと思っていた」と、照れくさそうに語る重光さん。22歳のとき、ふたりは夫婦となり、55年の時をともに歩んできました。
家族とともに紡いだ思い出
子どもが生まれてからは、家族で過ごす時間を何よりも大切にしてきました。夏の海水浴、そして下の子が小学6年生のときに始めたキャンプ。気づけば、子どもたちが結婚するまで毎年続く恒例行事になっていました。
もちろん、いつも穏やかに過ごしていたわけではありません。子育てに関しては意見が食い違い、言い合いになることも。喧嘩をしたとき、重光さんは「長引くのが嫌で、折れることも多かった」と言います。一方、よし子さんは「実家に帰って気持ちを整理し、ストレスを発散することもあった」と笑います。そんなふうに、お互いに折り合いをつけながら、一緒に家族を守り、育んできました。
子どもたちが大人になり、結婚の報告を受けたとき、ふたりは心から喜びました。「田舎では、結婚して一人前。夫婦でいることが当たり前、という考え方もあります。でも、やっぱり『好きな人と添い遂げる』ということが何より大事だと思いました」と振り返ります。
これからも、ふたりの時間を大切に
子どもたちが巣立ち、孫も家庭を持ち、「ようやく自分たちの時間を楽しめるようになりました」と語るふたり。今では、家族や同級生と温泉旅行に出かけたり、ひ孫の成長を楽しんだりする日々を送っています。
「今できることを楽しむのが一番ですね。これからも、ふたりでのんびり過ごしていきたいです」
55年間、支え合いながら歩んできたふたりの言葉には、長い年月をかけて築き上げた、穏やかで揺るぎない夫婦の絆が感じられました。