私たちらしさ
夫婦らしさが、
ようやくわかってきた。
結婚23年目を迎えた伊東さん夫妻。同じ高校のマーチング部だった二人は、梨絵さんが先輩の主昇さんにピアノを教えたことがきっかけで仲が深まり、交際がはじまりました。当時、家は武生、坂井町と離れていましたが、朝はお互い始発で待ち合わせて学校へ。「帰りは梨絵を丸岡駅まで送り届けてから武生の自宅に戻っていたんです。長浜まで寝過ごしてしまったこともありました」と主昇さんは笑います。
卒業後、梨絵さんは短大に進学。主昇さんは梨絵さんの実家が営むガス会社を継ぐことを前提に修行をはじめます。「自然の流れで結婚するんだろうなという感じでした。プロポーズの言葉も結婚式の数日前に『ほんとに俺でいいか?』と言われたくらい。そこでダメともいえないですよね(笑)」と梨絵さん。2000年10月にはたくさんの友人に祝福されるなか、結婚式を挙げました。
子どもを持たない決断が、
二人を強くした。
「毎日が修学旅行の延長のような感じ」結婚生活をそう例える二人ですが、家業を継ぐことの大変さや親との同居など、ともに乗り越えてきたことがいくつもあったといいます。さらに、これまでの23年間を振り返り、二人の大きな転機になったのが「子ども」でした。「女性として子どもを持ちたいという思いから、夫とともに7、8年不妊治療を続けてきました。40代を手前に治療をやめることを決めた時は辛かったけど、二人の絆は確実に強くなったと思います」と梨絵さんは振り返ります。
二人で生きていく決断をした梨絵さんと主昇さん。梨絵さんはこれまで続けていた介護の仕事を退職し、主昇さんが継いだガス会社をサポートすることに。ガスのプロとして毎日地域を駆け回るなか、2023年4月からは新しい取り組みとして、「ちぃさな料理教室ease」をスタートしました。専属の講師を招き、1組限定のプライベートスタイルで、イタリア料理を中心に幅広いレシピを学べる料理教室は、あっという間に予約が埋まることも。アットホームで楽しい雰囲気が人気を集めています。
また、2年前からは丸岡城お天守前公園を活用したイベント「お天守ふぇす」の運営にも参加。同世代の仲間たちと、マルシェやキッチンカー、縁日など、地域の子どもたちが楽しめるさまざまな企画に携わっています。
夫婦らしさって何だろう。
高校時代からともにマーチング部で汗を流し、結婚してからも推しのおっかけや旅行、YOSAKOIなど、共に楽しめる時間を大切にしてきた二人。
「私たちは友達の延長で結婚して今に至ります。今の生活に何の不満もないけど、“夫婦らしさ”って何だろうとずっと考えていました。いろんなターニングポイントを乗り越え、ここ数年で私たちらしい夫婦のかたちがわかってきたかもしれません」と梨絵さん。「この写真を撮った頃はまだ、今ほど夫婦らしさはなかったかも。まだまだやりたいことはたくさんあるけど、一人じゃできないことばかり。これからも二人で同じ方向を向いて進んでいきたいと思います」と晴れやかな笑顔で主昇さんも語ってくれました。